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カレーパン―― この食べ物を、あなたは知っているだろうか?
インド発祥にして、日本の国民食にまで馴染んだ食べ物、カレー。 近代において日本に輸入され主食としての米の地位を脅かすまでになった食べ物、パン。 本来ならば交わることのなかったこの二つの食べ物が、日本という特異な文化を持つ国で出会ってしまった。 そして、生み出されたのが、カレーパン。 今回は、その奇跡の食べ物の姿について考えてみたい。 まずは歴史を紐解いてみよう。 調べてみると、1927(昭和2)年に、名花堂(現カトレア。著者の実家の近所にあり、著者もここのカレーパンを食べたことがある。そしていつも売り切れている)が「洋食パン」という名で実用新案登録したのが元祖とされている。しかし、それは、具の入ったパンをカツレツの様に揚げる、というもので、カレーを入れるかどうかは明記されていないようである。しかしながら、カレーパンの原型といっても差し支えないだろう。 計算すると、カレーパンには、83年の歴史があるようである。 もはやカレーパンは伝統食といっても過言ではないだろう。 次に、工程について考えてみよう。 カレーパンは、パンといいつつも、ドーナツに近い工程を取る。 作り方はこうだ。 生地を作る→カレーをはさむ→揚げる 見てのとおり、オーブンで焼くことはせず、揚げることによって、生地に熱を通しているのである。 また、衣をつけてから焼くというのも、特徴的である。 しかし、ここで私たちは大きな問題に直面することになる。 カレーパン業界において、決着のつかなかった問題、カレーパンカレードーナツ論争である。 この記事ではカレーパンという語を使ってきたように、著者自身はカレーパン派なのであるが、ここは平等に、どちらの主張も取り上げることにしよう。 箇条書きでまとめてみる。 まず、カレーパン派の主張から。 ・慣例として、カレーパンといい続けてきたのだから、今後も継続していくべきである。 ・パン屋にドーナツが置いてあるなど聞いたことがない。 ・小麦粉の生地で作った立体的で丸いヤツは、全部パンである。 ・カレーパンには穴が開いてないではないか。 次に、カレードーナツ派の主張。 ・慣例は壊すためにある。今こそ慣例を壊すときだ。 ・どう考えてもパンじゃない。オーブンで焼くやつがパンだろう。 ・ミスタードーナツでも売っている。 ・カレーパンを輪切りにしてみれば、生地部分が輪状になっているところがある。 といった具合で、喧々諤々の論争が繰り広げられている。 最近では、議論に疲れた人々が、パンかドーナツかの問題は置いておいて、「カレーと生地を揚げたもの」という新名称でお茶を濁そうとする新勢力も現れ、カレーパン業界は荒れに荒れている。 私も自説を説きたいところではあるが、数多くの批判を浴びることであるのは明白なので、ここでは自粛させてもらいたい。 さて、最後に、本当においしいカレーパンとは何か、である。 これには諸説あるだろうが、私なりの理論を展開させつつ、カレーパンの本質に迫りたいと思う。 カレーパンの根源的なコンセプトに立ち返った時に見えてくるものがあり、それをカレーパンにこめればおいしくなるのではないか、というのが私の考え方である。 カレーパンの原型は、「洋食パン」であり、昭和2年に開発された。 洋食(日本風西洋料理)は大正期にはすでに普及しており、洋食自体は珍しいものではなかった。 また、カレーパンはパン屋の開発したものであった。 これらから言えるのは、「おいしいパンを」ということであろう。 ここではじめに戻ってしまった。 何だと思うだろうが、これが一番である。 「おいしいカレーパン」だと思ったら、それがおいしいカレーパンなのである。 なんだかんだ言ってきたが、カレーパンとは、カレーパンであり、カレーパンでしかない。 我々が口にするカレーパンはやっぱりカレーパンであって、カレーパン以外の何者でもない。 そして、カレーパンは、カレーパンというだけでおいしいのであり、おいしくなければカレーパンではないのだ。 私たちは、カレーパンを見つめすぎた故にカレーパンの本質を忘れ去りながらもカレーパンを食べいたのだ。 今一度、自分の中のカレーパン像を見つめなおし、カレーパンに対して真摯な姿勢を持っていくことが大切になっていくのだろう。(終) <あとがき> ここまでは理論を優先してきた。 のらりくらりと書いてきた。 きっと、読者は私には好みがないとでも考えているのだろう。 じっとしているのにも疲れた。 はらに溜まったものをぶちまけよう。 ふっくらしすぎの生地はいけない。 いっても、生地が無さすぎはもっといけないが。 くうどうがあるカレーパンもあるが私は無いほうがいい。 しっかりとルーでいっぱいになってるのがいい。 よしんばルーで一杯でも、味がよくなくてはダメ。 んーーーっと辛いのもあるが、それはダメだ。 できれば、甘くなく、ちょっと辛いよりがいい。 スパイシーなルーでなければならないのもポイントだ。 PR |
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